万能細胞に対しては、様々な倫理的、宗教的な観点から問題視をされている事実があります。
例えば、前米国大統領であった、ジョージ・ブッシュ氏は、大統領時代、人間の精子と卵子が結合した受精卵から作られる幹細胞「胚性幹細胞」(ES細胞)に関しては、敬虔なカトリック信者
であることから、「授かった生命の芽を積んでしまう行為である」として強く反対をしていました。
そのため「胚性幹細胞」(ES細胞)に関しての研究開発に対する支援法案には、拒否権を発動していました。
しかしながらips細胞(人工多能性幹細胞)の研究成功には、「過去の論争を乗り越える突破口」との評価と賛成の意思表示をし、今までの頑なな態度を一転して支援する方針を述べました。
また同様に、「受精した瞬間から人間」と考えるバチカン(ローマ法王庁)も、中絶や人工受精に対する考え方と同様で、「胚性幹細胞」(ES細胞)の研究開発に関しては猛反対を唱えていました。
この考え方はカトリック教徒の多いヨーロッパでは強い影響力を持ち、ドイツやイタリアでは胚(受精卵)の保護を定めた法律も成立しました。
しかしながらips細胞の研究成功に対しては、バチカンアカデミーのスグレッチャ会長はブッシュ氏と同様に、「歴史的な成功」であると研究者である京都大学の山中伸弥教授らを讃えるコメントを発表しました。